ヨコシマなしましまアニメ感想

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青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない 感想

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作品の内容

桜島麻衣の思春期症候群

思春期症候群による胸の傷のために、自分が病院に搬送されたことを、暴力事件を起こしたとした「病院送り事件」として噂されたため、学校では関わり合いになる人間が少ない梓川咲太は、ある日図書館でバニーガール姿の桜島麻衣を見かける。

容姿はもちろん、確かな演技力で子役の頃から芸能界のトップを走り続けていた麻衣は、水着姿での写真撮影を勝手に契約した母親への当てつけで、今は活動を休止していた。しかし、そんな有名人の彼女がバニーガール姿で街を歩いても、だれも彼女の事を見えていない様子なのだった。

麻衣の置かれている現状を、思春期症候群だと確信した咲太は、麻衣が学校の人間には見えて、街の人間には見えていない現象は、活動で学校に馴染めなかったことをきっかけに、誰とも関わらずに学校生活を送っている麻衣が作り出した空気が原因だと考える。この状況を解決するために、麻衣が芸能界に戻れば、周囲も有名人として放ってはおかないため、他人に観測されるようになるのではと提案する。しかし、母親との確執で意地を張っていた麻衣は、その提案はすんなりと受け入れられないのだった。

麻衣について、なぜ活動休止することになったのかを知るために、思春期症候群に興味のあるテレビアナウンサーに、自分の胸の傷の写真を提供した咲太。それを知った麻衣は、そのアナウンサーに自分の活動復帰の独占取材をさせる代わりに、咲太の写真をテレビで使わないように交渉する。結局、咲太が提案したことを、麻衣自身は既に考えており、また決断したのも麻衣なのだった。

しかし、麻衣の周囲に観測されない状況は急速に悪化し、麻衣の母親にも「自分には娘がいない」と言われる始末。さらには、昨日まで麻衣の事を相談していた咲太の友人・国見佑真も、麻衣の事を覚えていないことが判明し、寝ることによって、麻衣を意識しない空気に飲み込まれ、麻衣を忘れてしまうのだと、同じく咲太の友人・双葉理央は推測するのだった。

麻衣を忘れないために、その日から一睡もしない咲太に、麻衣は咲太に感謝しつつ睡眠導入剤で無理やり眠らせ、次に目覚めた咲太は、やはり麻衣の事を忘れてしまっていた。

テストの漢字の書き取りの問題に、麻衣から教わったものがあったため、麻衣の存在を思い出す事ができた咲太は、麻衣を忘れる前の理央から送られた、空気に勝つことができれば、この状況は解決されるという内容のメモに後押しされ、校庭から校舎に向かって、大声で麻衣に告白することで、麻衣に関わるまいとする空気を吹き飛ばすことに成功するのだった。

古賀朋絵の思春期症候群

麻衣へ公開告白から1カ月の6月27日、素直ではない麻衣から、やっとお付き合いOKの返事をもらって喜んでいた咲太だったが、なんと、朝起きると同じ日が繰り返されてしまうのだった。

さすがに三度目の6月27日に、理央へこの現象のことを相談するが、過去へ戻っているのではなく、未来予知している可能性を考えるように提案され、前回と違う行動をしている人物を探すように言われるのだった。

理央の考えのとおり、前回と違う行動をとっている人物・古賀朋絵を見つけた咲太は、6月27日から抜け出せないことを話すが、朋絵は友人が憧れている先輩・前沢から告白されないために隠れることに気を使っており、話に集中出来ないのだった。

結局、問題の前沢と、たまたま訪れた麻衣の目の前で、古賀が咲太を押し倒した体制になってしまい、あらぬ誤解を受ける咲太と古賀。一瞬焦った咲太だが、今は同じ6月27日を繰り返しているのだから、次はこうならないように気を付ければ良いと思い直す。しかしこの時に限って6月27日を抜け出すことができ、咲太は麻衣の誤解を解きたいが、古賀が前沢からの告白を受けないためにも行動が起こせない状況に陥るのだった。

そんな咲太に、古賀からも付き合ている振りを夏休みまでの間で良いから続けてほしいと依頼され、さすがに断ろうとした咲太だが、古賀の「一人は恥ずかしい」という言葉に、虐められていた時の妹・花楓の姿が重なり、承諾することにする。

古賀との誤解を言い訳に来ない咲太に対し、麻衣は咲太の性格を考えて理由を尋ねに来た。そんな麻衣に感謝しつつ、咲太は妹の時と古賀の姿が重なったことを正直に話す。無事に麻衣の誤解も解き、安心する咲太に対し、麻衣は古賀に対して不安を口にするのだった。

古賀との偽装デートの際に、咲太は古賀が努力して今のクラスメイトとの関係を築き上げたことを知る。しかし、そうして手に入れたクラスでの立場に、古賀自身が気に入ってはいるものの、本当の自分ではないと感じていることを聞き、咲太は「今のなろうとしてなった姿」が古賀だと、自分の気持ちをの伝えたのだった。

その後も、学校でも話すことが増えた咲太と古賀だが、7月6日のバイトの時に、国見から古賀に対するでたらめな噂が流されていることを知る。その発生源は

バスケ部のSNSだと知り、古賀に告白しようとしていた前沢だと感づいた咲太は、峰ヶ原高校の生徒で混んだ駅で、古賀と一緒にいたところに絡んできた前沢を煽り、「自分の思い通りにならない古賀に対して、でたらめな噂を流す等のやり方がダサい」と噂話を否定し、古賀がさせ子でない事の証明のため、自分は童貞だと公言するのだった。この出来事に、古賀は咲太への想いを募らせるのだった。

大きな事件もあったため、前沢に告白されないように始めた嘘の恋人設定の解消方法を考える咲太。しかし古賀は、海に行き喧嘩をして別れたシナリオを具体的な内容まで考えてあったため、あとは終業式が終わった後に実行に移すだけとなった。

しかし、7月18日は繰り返されることになる。驚いた咲太が古賀にループの原因を問うが、古賀には戻ってきていないと言われてしまう。このことを理央に確認すると、古賀がもう一度自分の納得のいく結果が出るまでループを繰り返している事を指摘されるのだった。古賀の気持ちを汲み、四度目の7月18日となった時、咲太は海ではなく江の島へと古賀を誘い、古賀の嘘に気づいていることと、古賀が咲太を好きでいる気持ちを引き出すことに成功するのだった。

こうしてループは終わり、古賀が咲太と偽の恋人を演じる原因となった、前沢が古賀に付き合いうように呼び出した6月27日へと日付は戻されたのだった。そこで咲太は、麻衣におつきあいのOKをもらい、古賀は友人との関係に影響することを恐れずに、前沢の申し出を断る事ができるのだった。

双葉理央の思春期症候群

咲太には初恋の人がいた。彼女は、花楓の事で悩み、疲弊していた咲太を励ましてくれた、当時高校二年生の牧之原翔子という人だった。その初恋の人の事は、国見や理央、麻衣にも話していた咲太だが、ある時捨てられていた猫を心配そうに眺めていた女の子も、同じ字を書く同姓同名の上に、咲太の初恋の人に似ている中学生の牧之原翔子とのことだった。

捨てられた猫を引き取りたいという翔子に、自分の家の連絡先を渡し、その後も猫の様子を見に来る彼女に、不思議なものを感じる咲太。しかし、実害が無いなら良いのではという理央の言う通りで、特に何か対処するわけでは無いのだった。

そんな状況のなか、咲太にバイト先まで合いに来てくれた麻衣との帰り道、ネットカフェに入る理央を見つける。時間が遅かっただけに、心配になった二人は、理央を探してネットカフェに入ることに。しかし、事態はとても深刻で、理央の居場所を知るために咲太がかけた電話に出た理央と、ネットカフェにいる理央は別の人間だった。

目の前の理央曰く、3日前からもう一人の理央が自宅に住んでいるため、家に帰ることができないとのこと。緊急的に咲太の家に泊めることになったが、彼女として麻衣も一緒に泊まることになる。

家に着き、麻衣が荷物をとりに行くために席を外した間に、咲太は理央に二人存在する理由に心当たりがないかを聞くが、理央の答えは無いというものだった。

もう一人の理央にも確かめるために、翌日、夏休みの学校に行った咲太は、髪をポニーテールにした理央が、想い人である国見のバスケ部練習を見ていたところを見つける。さっそく、理央が二人いること、一人はいま咲太の家に泊まらせていることと、二人になった理論上の考察を話、目の前にいる理央の見解を聞く咲太。

ポニーテールにした理央も、二人になった理論は同じ考えだったが、そうなった原因については心当たりがあるとのこと。それを聞こうとした咲太だが、理央は部活に戻ってしまい教える気はない様子だった。そんな二人の姿をみていた国見は、普段学校に愛着の無い咲太が来ていることから、理央がらみで問題があったと悟り、何かあったらすぐに呼ぶように咲太に申し出るのだった。

そのすぐ後に、咲太は国見の彼女・上里から、理央のSNS上の裏アカウントで異性を誘うような目線の自撮り画像を挙げている事を知らされる。

家に戻った咲太は、咲太の家に泊まっている方の理央にアカウントの事を聞いたところ、事実を認めた上に誰かに構ってほしかったとの理由を聞けたのだった。そして、異性を視線を気にする写真を上げる反面、そんな視線に嫌悪感を抱いていたため、ストレスを感じ、二人の理央を作る原因になったとの見解だった。

理央が二人になった原因も、アカウントを作った理由も分かった咲太は、あとは理央が決めることだと、それぞれの理央と話をする日々を過ごす。そんな中、ポニーテールにしている方の理央の携帯に、理央の自撮り写真を見た身体目当てと思われるメッセージが届き、理央は恐怖を恐れる。怖がる理央に一緒にいてほしいと頼まれた咲太は、彼女の家に泊まることに。

夜になり、一人が寂しいと感じる様になった原因に、国見と咲太が関係していることを話し始めた理央。その話を聞いた咲太は、国見を呼び出し、彼女ができても理央を一人にしないと体現して見せたのだった。その勢いで浜辺まで繰り出し、手持ち花火をする三人は、江ノ島の花火大会に行く約束をするのだった。

一通りのことが解決したポニーテールの理央は、咲太の家に泊まっている理央は、自撮りをしていた自分を嫌いなため、よろしく頼むと咲太に自分のスマホを渡すのだった。しかしそのスマホの画面をみたもう一人の理央は、ポニーテールの理央がうまくやっているため、自分が消えた方が上手く収まると考え、咲太の家を出て行ってしまった。そんな理央を大雨の中捜しまわった咲太は、今までの疲労からか理央の目の前で倒れてしまう。場所は変わって、咲太が運び込まれた病院の受付前。自分が嫌いだと改めて公言する理央に対し、咲太は「ま、こんなものだ」と思いながら生きていると話し、前向きでないその発想に救われた理央は、もう一人の理央に、自分も花火大会に行きたいと言えるのだった。

花火大会当日、無事に浴衣姿で三人集まることができた咲太と国見と理央。花火が上がる中、とうとう理央は国見に想いを告げることができ、その後も三人で下らないことを言い合うことができるのだった。

桜島麻衣と豊浜のどかの思春期症候群

二学期が始まり、麻衣とは思ったより出会えなかった咲太。学校の帰りに見かけた麻衣に、思わず駆け寄り声をかけたが、どうも様子がおかしい。そこへ、見知らぬ少女が麻衣のような口調で解説を入れてくれたのだった。

二人の話を聞くと、麻衣の母親違いの妹であり、アイドルとして活動している豊島のどかと麻衣の体が入れ替わってしまったらしい。どうしようもないため、入れ替わった身体に合わせて、それぞれの仕事をこなしていくことに。咲太は麻衣と学校が同じなため、基本的に麻衣になってしまったのどかのフォローを麻衣に頼まれる。

幼いころに麻衣の真似をしていたのどかは、咲太が心配したよりも上手く桜島麻衣をこなしているように見えていたが、のどかの内心は、なんでも出来た姉と比べられることへのプレッシャーに耐え兼ねていた。その思いを実際に麻衣にぶつけるが、麻衣自身も、お互いの母親の代理戦争のコマのように劇団に所属させられ、競い合わされて来た過去と、無神経にも二人を合わせた父親の所為でのどかが嫌いだと語るのだった。

結局、喧嘩別れした二人は、麻衣の身体ののどかが麻衣の家に、のどかの身体の麻衣が咲太の家に泊まり、それぞれの仕事をこなしていくことになった。

麻衣は、のどかの仕事ぶりに何の心配もしていなかったが、慣れない麻衣の仕事をこなすのどかは、緊張からか演技ができ無いのだった。

何度か、麻衣とのどかとの様子をみては行き来していた咲太は、お互いに嫌いと言いつつも、決定的に嫌う理由が二人の間には無いことを悟り、早く仲直りしてくれないかと思う。そんな中、麻衣の身体のどかが出演したライブで、のどかがメインの曲が発表される事が決まり、麻衣がチケットを渡していたのどかの母親は、のどかの身体の麻衣に泣きながら喜びを伝えるのだった。

母親が喜ぶ姿をみたのどかは、じぶんの力では出来ないことを、麻衣は簡単にやってのけると、嫉妬を露わにする。咲太はそんなのどかを納得させるために、麻衣が残していたのどかからの手紙を見せ、ライブをおえた麻衣もまた、辛かった時ののどかの応援に励まされていたことを伝えるのだった。そして、母親を喜ばせたいと頑張っていたのどかに対し、麻衣はのどかの母親がのどかに対して無理をさせていないのか不安だったのではないかと話し、これからは、のどかが選んだことで母親の期待に応えると良いと、のどかを抱きしめるのだった。

結局、母親の気持ちに少しは寄り添おうと考えたのどかだったが、またすぐに喧嘩してしまったため、麻衣の家に住むことになり、咲太の考えた麻衣とのイチャイチャできる生活には程遠い結果となる。

梓川花楓とかえでの話

麻衣の姿になっていたのどかと歩いていたところを、雑誌の記事にされてしまった咲太。活動復帰を果たし、映画の主演に決まった麻衣にとって、大きな痛手になるかと心配されたが、映画の制作発表の会見の場を借りて、麻衣が交際を認めたことと、咲太のプライバシーを守るように振舞った印象が良かったのか、事は無事に沈静化するのだった。

改めて咲太と麻衣は、お互いの気持ちを確かめることができ、幸せな気分を満喫するなか、家でそんな麻衣の会見をみていたかえでもまた、自分も頑張ろうと今年のも公表を立て始める。

麻衣が晩御飯を作りに来た10月16日、かえでは「外に出て咲太としたいこと」と、「学校に行く」という目標を立てたことを発表する。咲太の自分以外とは何かしないのかという提案で、そこに「電話に出る」をつけ足し、やる気満々のかえで。そんなかえでの様子が嬉しかったのか、麻衣もまずは自分と電話をしてみないかと申し出て、見事に目標の一つを達成するかえで。

外に出るための作戦も考えたかえでは、ある日学校から帰った咲太へ、外に出ると申し出た。麻衣からもらったかわいい服を着て、久しぶりの靴を履き、咲太の背中にしがみつき、それでも怖いため目をつむった状態で、やっと玄関に立つかえでに、咲太は外に出るための一歩分、少なくかえでに伝え、外に踏み出させることに成功するのだった。

そこからは、順調に距離を伸ばし、麻衣の家にも行けるようになったかえで。目標の一つの「咲太と海でたわむれる」を麻衣とのどかを加えて達成した時、かえでの幼馴染・鹿野琴美とたまたま出会ってしまい、声をかけられる。しかし、かえではこの二年前までの記憶を失くしていたため、琴美のことを知人だと認識できないのであった。

二年前、いじめを発端に極度のストレスや心的外傷を負った花楓は、目覚めると咲太のことも覚えていない状態だった。医師から解離性障害の一種との診断を受け、記憶が無いことが分かったあとも、利き手も何もかもが変わってしまったかえでに、母親もまた心を病んでしまう。そこに咲太自身に思春期症候群による胸の傷が現れ、自傷行為としか見えもらえないことに追い詰められいった。

そんな状態から咲太を救ったのが、高校生の牧之原翔子だった。咲太の置かれた状況を全て信じてくれ、そんな誰にも理解されない苦しみを知った咲太だからこそ、誰かの支えになれると励ましてくれた翔子の様になりたいとた咲太は、もう一度かえでに向き合う様になるのだった。

記憶が無い状態で、必死に花楓になろうとしていたかえでに、咲太は日記帳とペンを手渡し、今のかえでは花楓ではないのだから、ひらがなでかえでと名前を書いたらどうかと提案する。その言葉に、自分を見てもらえたと感じたかえでは家族の中に味方を一人見つけるのだった。

だんだんと記憶が戻る兆候が表れるかえでに、今のかえでが消えてしまうと複雑な心境の咲太、しかし同じく自分に時間がないと知ったかえで自身は、無理をしてでも目標を達成するべく、前に進み続けるのだった。そんなかえでに、後押しをする咲太によって、とうとう夜の学校まで行くことができたかえでは、明日こそお昼の学校に行ける気がすると、明日を楽しみにするのだった。

その次の日、花楓の記憶が戻り、かえでは消えてしまう。すっかり元の花楓のしぐさと喋り方に戻っている様子に、父親は涙して喜ぶが、かえでを失った喪失感から、咲太は花楓の部屋を泣きながら飛び出してしまう。そんな咲太を支えたのは、高校生の牧之原翔子なのだった。

翔子は咲太を家に戻し、かえでの気持ちを込めた日記を読み聞かせる。かえでが目標を立てて頑張っていた理由が、自分が居なくなった後に、おそらく「何もしてあげられなかった」と後悔する兄に対して、良い思い出を残すためだと知り、さらに悲しみも含めた、かえでの存在を全部受け止めてあげなさいという翔子の言葉に、やっと咲太はかえでの想いを受け止めることができるのだった。

翌日、家のベットで目覚めえた咲太は、翔子のメモを見つける。しかしそれ以降は高校生、中学生のどちらの牧之原翔子とも連絡が取れず、会うことができなくなってしまったのだった。そんな牧之原翔子の存在を、年上の牧之原翔子については、咲太以外の人間が観測していないため、存在していないか、咲太が作り上げた幻ではないかと理央は考える。

そんな年上の牧之原翔子が残したメモを発見した麻衣は、仕事とはいえ咲太が大変な時に支えになれなかったことにショックを受け、ロクに咲太と会話することなく帰ってしまう。そんな様子の麻衣が気がかりで、さらに帰ってしまった理由も分からなかった咲太も調子を崩してしまう。

12月2日のバイトの後、そんな咲太を心配したのどかが現れ、麻衣の心境と、彼女が今日誕生日であることを知らせる。そのことを聞いた咲太は、金沢のロケ地まで駆け付け、ぎりぎり誕生日中に麻衣へ祝いの言葉を言うことができたのだった。

麻衣と会えたことで、翔子の事を勘違いしたのではないことを本人から聞くことができた咲太は、麻衣に想われていることに幸せを感じ、お互いに、支え合える存在になりたいと想いを確かめ合うのだった。

後日、花楓の退院のために荷物を片付ける咲太に、花楓は、学校に行けるようになりたいと目標を語り、怖くないのかという咲太の問いに、自分は一人ではないと言い切るのだった。

作品の感想

梓川花楓が、かえでになった原因は解離性障害の一種とのことなので、彼女たちの部分だけ「思春期症候群」だけで終わらないことから、項目わけを「話」に変えてます。間違えではないです。

最初は、他のハーレムものと同じかと思ったため、期待値が低かったのだけど、第1話最後に、麻衣さんがまた咲太の家の前で待っていたのを見て、ああこれは違うんだなと思い直した作品だった。

基本的に、出てくる子たち全員が真面目であり、人の話はよく聞き、また話を聞くことと受けとめることが別であることを良く理解している点が、特徴だと思う。とくに、人が話をしていても、スマホをいじることをやめられなかった古賀でさえ、困っているクラスメイトの失くしものを探すという、人の気持ちを考えられる感性と、他人の失くしものを最後まであきらめなかった真面目さを備えていた。

でも、聞いた話によると、この作品の原作の作り手さんは、双葉理央による思春期症候群の科学的な解説をしている部分を描きたくてこの作品を作ったらしいとのこと。そこからの肉付きに、ここまでの人間性を描くストーリーを乗せたのなら、これは相当妥協したいところを踏ん張って作り上げているのではと想像してしまい、ますます好感度が上がった。妥協した作品を見せられることが最近多かっただけに、こういった作り手さんが居てくれることがとてもうれしい。

牧之原翔子の不思議な点は、劇場版で語られるらしいので、どうか、牧之原翔子が幽霊説ではないことを祈っている。ただ、テレビアニメとしての本作は、良いまとまりで完了しているので、牧之原翔子の件がやり残しとまでは感じられない。もう一度視聴することが可能な作品だった。

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