ヨコシマなしましまアニメ感想

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フルーツバスケット 第1話「行ってきます」感想

この作品の2001年制作版を視聴済み。さらに原作既読という事で、個人的には好きな作品。
ただ、恋愛事情はさておき、個人主義に寄っている今の世の中の考え方には、本作の家族関係や友情などは理解されない部分もあるのではと不安に思っている。まぁ、自分のような原作・前作アニメで育った年代を狙っているのなら、別に良いのか…でも心配だ。

 

今週の内容
円状に控える十二支と、中心に座る人物が酒入った杯の淵をなぞり、術のようなものがその人物と十二支たちがいる範囲に展開される。「また宴を開こう、何度でもいつまでも」という約束を交わし、中心の人物が抱えている猫は、涙を流すのだった。
9月半ばだというのに熱くなりそうな日差しを受け、本田透はテントの中においてある母の遺影に行ってきますの挨拶をして登校を開始する。
時間があるため、付近を散策していると一軒の家を見つけ、縁側に置かれた十二支の置物の可愛らしさに見入っていると、住人と思われる男性に声を掛けられる。勝手に見ていたことを謝る透に、男性はどうぞと快く対応する。
十二支の置物にはやはり猫はいないという話になり、透は十二支の昔話を母親にしてもらったこと、ネズミに騙された猫が、神様の開いた宴会に行けなかったことを可哀そうに思った当時の透が、「戌(年)さんをやめて猫さんになる」と鼻息荒く宣言したことを話す。話を聞いた男性は、「そんな話をアイツが聞いたらどう思うかな」と独り言を言い、話題を変えるために透が戌年という事に親近感がわくと鼻を伸ばし始めた時、男性の脳天に辞書の入ったカバンを落とし、透にの前に現れたのは、同じクラスの草摩由希だった。
自分の従兄が変なことをしなかったかという由希に、透は焦りか緊張からか、慌てて挨拶をする。カバンの攻撃から復活した男性に、透は自分のクラスメイトだと話す由希に、透も自己紹介をする。男性も名を草摩紫呉、由希の従兄だと名乗るのだった。
由希に、朝からどうしてここにいるのかと尋ねられた透は、テント暮らしを隠すために、苦し紛れに家が近くだと言うが、草摩の二人には怪訝な顔をされてしまい、勢いでその場を後にしようと、挨拶をして学校に急ごうとする透に、由希は学校まで一緒に行こうと言い出すのだった。
学校に着き、プリンス・由希の二年代表・皆川素子であると名乗った女生徒と、プリユキ大原則「王子の私物を盗まない、自宅に乗り込まない、話しかけるときは常に二人以上で」という決まり事を告げるその他三人の女生徒に囲まれる透。皆川は、透が由希と登校したことで、由希のファンクラブに公然と反旗を翻したと因縁をつけ、どういう経緯で一緒に登校したのかを説明しなさいと迫るのだった。透は「偶然に」と言いかけるが、それで済めば警察は要らないとさらにヒートアップする彼女たちに、透もこうなることは想像がついたと、由希の活躍や外見を想浮かべるのだった。
一方的な言いがかりで透が困っているところへ、透の友人の魚谷ありさと花島咲が割って入り、魚谷はヤンキーの様な脅しで、花島は毒電波で〇〇にしてやるとプリユキメンバーを引かせ、透はやっと解放されるのだった。
家庭科の調理実習中に、由希はきれいすぎて話すのも緊張したのだと言う透に、花島は彼からは妙な電波を感じると電波情報を話す。魚谷は確かに謎っぽいところはある返し、先輩の女子生徒が告白ついでに抱き付こうとした時、あの草摩由希が女生徒を突き飛ばしたという噂を話す。そんなやり取りをしていたため、教師から手を動かすように注意される透達だが、透が手際よく調理を終えていたため、すべての料理が並べられていたのだった。
作った料理を食べつつ、帰りに3人で買い物に行かないかと誘う魚谷に、バイトがあるからと断る透。学費を自分で出すという約束をしていることを思い出す魚谷だが、花島は学費だけならそこまで働く必要はないのではと指摘される。しかし透は卒業後の独り暮らしに備えて、今から貯蓄しておきたいのだと目標を語り、その様子に魚谷は感動しつつ、父方の親戚に厄介になり、ご飯を食べさせてもらっているかとか、バイト代全額せしめられていないかと言った心配事を漏らす。そんな友人たちに、実はテントで暮らしているなどと、決して言えない透なのだった。
学校の帰り、たまたま昇降口で由希に出会った透。今朝の事を話しながら、一緒に帰る間に、今朝見せてもらった十二支の置物の話から、小さい頃の透が猫年になると言っていた話になり、由希は十二支の成り立ちから、猫が入る隙など始めから無かったこと、十二支の仲間になったからってどうだというのだという思いを話し、猫が嫌いかという透の問いに、微笑みだけで答えて見せるのだった。
すこし顔色が悪い、体には気を付けた方が良いと忠告する由希と別れ、バイト先で自分の家族の、現状に至る成り行きを思い出す透。
3歳で父を病死で亡くし、母は女手一つで透を育てていたこと。母の事をいつも明るくパワフルな人だと、透は思っており、まさか事故で亡くすとは思ってもいなかった事。両親を亡くした透を引き取る先がもめ、結局父方の祖父に決まるものの、祖父も歳なため、住んでいる家を改築して娘夫婦と同居することが決まる。祖父は透を気遣い、改築の数カ月、狭い娘夫婦の家に行くよりも、仲の良い友達の所に身を寄せた方が気が楽だろうと提案する。しかし透は、魚谷は1DKのアパート暮らし、花島は5人家族という家庭状況を知っていたため、数カ月も身を寄せるのは迷惑だろうと判断し、いずれ来る独り暮らしの厳しさに耐えるチャンスだととらえ、祖父にも秘密でのテント暮らしを始めるのだった。
たとえセールで買ったテント暮らしでも、住めば都と言い聞かせ、バイト先の掃除の仕事に精を出す透。同僚のおばちゃんたちは、あの子が来てから仕事が楽になったと、お茶を飲みながら言うのだった。
夜、外食か出前だと飽きてくるという紫呉に、じゃあ作れば良いと返す由希。そんな由希が、頭が良くても家事がからっきしだと嘆き、だらけた男暮らし二人には花が必要だとぼやく紫呉。そんなくだらない話の最中に、透が夜道を歩いていることに気付く二人。母親を亡くしたと聞いていた由希は、近くに引っ越してきたのかと憶測を立てるが、紫呉はこの辺の土地は他人には貸していないと言い、彼らはやはり怪訝な顔をするのだった。
家であるテントにたどり着き、母の遺影に今帰ったと挨拶する透。やらなくてはいけないプリントに手を付ける前に、眩暈がするからと顔を洗いに行こうとテントを出ると、紫呉と由希に見つかってしまい、テント生活にツボった紫呉に大笑いされる。
紫呉の家に移り、近くに家があるという言葉におかしいと感じたと話す由希に、どうにかテントで暮らす許可を得ようと話す透。しかし崖の地盤が緩いし、変質者も出るし、何しろ女の子が数カ月テント生活なんてという紫呉に、虫に慣れ、体力も気力もありますとアピールする透だが、熱があるにもかかわらず突然立ち上がったため、眩暈で座り込んでしまう。
透が熱を出していることに気付いた由希。その様子に氷を用意しようと台所に繋がるふすまを開ける紫呉だが、そこは透が思わず腐海の森と表現してしまう程散らかっていたのだった。
そんな中、犬の遠吠えを聞いた紫呉は、土砂崩れがあった様だと話し、まさかテントの近くだったりしてと透が冗談を言って笑いあったが、実際に土砂に埋まるテントに、透は取り乱し、母の遺影を取り出してあげなければと、土砂を掘り始める。そんな透に、明るくなったら取りに来よう。透がケガでもしたらそれこそ母親は悲しむだろうと諭して透を休ませる紫呉。
布団に入り、また家を失ったとこぼす透に、辛いかと問う紫呉。しかし透はもっと辛い事として、母親にいつも言えていた「いってらっしゃい」という言葉を、事故にあった朝だけ言えなかったことを挙げる。高校に行かずに働こうとしていた透に、中卒だった自分も女子高生というものをやってみたかったから、代わりにやってみてと言われたこと、母が入学を望んだ高校だけは卒業して見せるためにも、熱に等負けている場合ではないと言いながら、透は眠ってしまう。
彼女の話を聞いていた由希は、いつも笑っていて苦労とは無縁に見えたと話す。対して自分は草摩の家から逃げ出したつもりが、親族である紫呉の家に転がり込んだだけで、甘えていたのだと思い知らされたのだった。
由希は透のために用意した氷枕を紫呉に渡し、テントの荷物を掘り出しに向かう。一人でやるのかという紫呉の問いに、大量のネズミと共に現場に向かう由希。
翌朝、母親の「透は透らしくゆっくりやっていけばいい」という言葉を夢で聞いた透は、飛び起きてテントへと向かおうと慌てる。しかし由希が掘り出した荷物をもって縁側に到着し、全て揃っているか確認してくれと透に話しかける。1人で作業はしていないという由希に、疑問がわく透だが、由希は秘密とだけ言って、荷物は二階に運んでしまおうとする。その行動に、どういうことかとついていけない透に、改築が終わる数カ月泊まれば良いと言い放つ由希。色々と問題があるだろうと慌てる透に、今度は紫呉に家事を好きかと質問され、思わず肯定してしまう。家事ができると聞いた紫呉も、意気揚々と透の部屋の準備を始めてしまい、透はだから問題があるだろうと引き留めようとするが、迷惑では無いから甘えてほしい、行く当てもないだろうという由希の言葉にぐうの音も出ず。ならば草摩家のルールを教えてほしいと切り出す透に、由希は透の母親と同じように、透らしくゆっくりやっていけば良いと言うのだった。
透が由希を不思議な人だと思っている間に、紫呉は女の子だよ?本当に良いのと冷やかし、由希は抱き付かれさえしなければ良いと返すやり取りがあったのだった。
二階の部屋に入り、紫呉は湿気を飛ばすために窓を開け終え、掃除機を取りに一度一階へ戻った時、透は由希の両親はどこにいるのだろうと思いをはせる。
しかし透の思考は、突然天井から穴を開けて入ってきた少年によって途切れることになる。その様子に驚く透と由希に対して敵意をむき出しにする少年に対し、さらに少年を煽る由希。今まさに由希を攻撃しようとする少年に、喧嘩を止めようと身を乗り出した透だが、壊れた天井の破片を踏んで体制を崩してしまい、少年の背後から抱き付く形になってしまうのだった。
透と少年が倒れ、煙が立つ様子に頭を抱える由希。そこへもしかして夾が来たのかと顔をだす紫呉。思わず人を巻き込んで倒れこんでしまった事に、勢いよく謝りながら起き上がった透は、少年が猫になっていることにさらに取り乱す。そんな状況を察した紫呉は、透に落ち着くように話しかけるが、ひとまず病院へ行かなければと、猫になった状態の少年を抱いて立ち上がる透に、さらに天井から落ちてきた木材が頭に直撃し、バランスを崩した彼女に寄りかかられる形で、紫呉と由希からも煙が上がり、紫呉は犬に、由希はネズミに変わってしまい、そんな状況についていけない透なのだった。

 

ここから感想
第一話から楽しく見ることができた。中の人たちも変わっているが、実にキャラに合っていて違和感なく見始めることができた。
透の母子家庭での厳しい現状を、由希の発言から家や家族に対する負の思いを、そしてプリユキが称える由希の公共的立場と実寸大の家事ができない・家出しても従兄の家に転がり込む由希など、盛り込むだけしっかり盛り込んで、初見の人にとっても見ごたえのある作品になるのではないだろうか。
ただ、現実にいる視聴者側の問題として、原作当時の2000年以前の時代よりも、2019年の今は、シングルでの子育て世帯や貧困家庭が多く、透の立場を物語として割り切ってみることができるかという点と、今後の草摩家の親世代の問題と、それに引きずられた子供世代の問題もまた、祖父母や親戚とのやり取りや、友人知人との繋がりが薄れている現代において、表現されても理解・受け入れられるのかという点が、本当に心配だ。
元々、携帯などの年代が分かる様なものが表立って登場しない作品ではあるものの、リメイクの際にすこし現代の風潮に合わせるという事は多々あると思う。この作品についても、どこまで手が加えられるか、見ていきたい。

 

 

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