ヨコシマなしましまアニメ感想

アニメの感想を、ひたすらに載せていくブログ。ネタバレが基本姿勢。※他所からの引っ越し作業中

ちはやふる3 第16話「ぬさもとりあへずたむけやま」

 総集編に続いての16話。総集編だけだと物足りないけど、総集編にオマケを付けたうえで本編を一話つけてくれると、お腹いっぱいな感じはありますな。

 

作品の内容

練習試合が終わり、周防は最後まで戦う意思を持ち続けた千早に、クイーンにはなれないと言って席を立つ。その言葉を受けた千早の表情には不安の色が現れるが、彼女にそれ以上声を掛けずに移動を始める周防。そんな彼の腕を掴んで、太一は自分と練習をしてほしいと申し出るのだった。

自分が気に入っていた千早の事を彼女だと言い、ちょっかいを出すなとくぎを刺してきた太一に対し、周防は憎いから練習相手にはならないと断ろうとするが、太一はとらやの箱を取り出し、どうぞと周防へ差し出す。甘味が好物な周防はこれに強く反応し、震えながらもその包みを受け取ってしまう。周りにいた東大かるた会のメンバーたちは、太一は出世するタイプだと驚きつつ、その様子を注視していた。

一方周防のかるたではなく、言葉によってダメージを受けた千早に対し、次の対戦相手を決めるべく声を掛けた須藤。超しつこいタイプである自分と、超懲りないタイプの小石川のどちらと取るのかを尋ねても、反応を示さない千早。須藤は察した様に別の石川と言う女性を指名し、千早とかるたを取るようにと声を掛けたのだった。

札を並べながら、太一は周防に、千早に何故あのようなことを言ったのかを問いかける。すると周防は、真っ直ぐだったから曲げたくなったと答えたため、太一はすぐに周防の意図を読み取り、周防のしたことに対して怒りの言葉を発する。普通なら、声高くしゃべらない試合前に、太一が周防に対して注意するような物言いをしたため、周囲の視線を集めることになったが、読手は一つ咳払いをしてから、序歌を読み始める。

太一が周防に渡したとらやのようかんが一つ減ったところで、千早にとって二試合目が終了する。B級相手にまた負けたとへこむ千早だったが、太一の礼の声が聞こえたため、そちらへと視線を向ける。

太一は周防と14枚差で負けていたが、千早がお手付きを連続して取ってしまったのに対し、太一はお手付きを一切せず、周防に25枚取らせるという、異様な結果を残していた。

太一が持ってきたとらやのようかんが二つになる頃、千早と太一は見送ってくれたかるた会のメンバー二人に帰りの挨拶を行う。その横で周防は、練習着を脱ぎながら主に太一へと冷たい言葉を放つのだった。

特に喋る事も無く二人で帰る千早と太一だったが、おもむろに荷物を確認した太一は、忘れ物をしたからと、千早に先に帰るように言って元来た道を戻り始める。千早と別れた太一は、練習所まで戻り、ちょうど出てきた周防に声を掛け、千早を彼女だと言った事を虚勢だったと訂正して、周防の攻撃態勢を解いて見せる。その様子を見ていた小石川を含めた東大かるた会のメンバーは、相手の欲しいものや言葉を選ぶことができる太一は、出世すると確信するのだった。

太一と別れて電車に一人で乗った千早は、満員電車のドア前に立ち、車体が揺れる振動でおでこをドアのガラスにぶつけていた。隣に立つ人の、イヤホンからの音漏れが気になり、耳は大事だと考えた千早。しかし思考は、周防に言われた言葉に向いてしまい、周防の言った彼氏が誰かという事にも意識を持っていくが、それよりもクイーンになれないと言い切られた事がよみがえり、千早は電車の中で一人目に涙を溜めて、手で顔を覆う。

その後、その足で原田の家を訪れた千早は、周防の弱点が分かったと門前で身振りを交えながら原田に伝える。これを聞き終えた原田は、少し考える必要がある様子だったものの、泣いたことが分かる千早を、家まで送ろうと申し出る。

何かされたかのか、または言われたのかとは聞かず、原田は周防が年頃の女の子である詩暢にも構っていることを挙げ、千早も気を付けるようにと注意する。千早の自宅に着いた原田は、周防の弱点の話を内緒にしておいてと千早に伝え、理由は自分だけが役立てるからだと、冗談めかして大声で言って見せる。千早はそんな原田に笑顔を向けて別れたが、玄関に入るとまだ周防の言葉を思い返してしまうのだった。

市立津咲高等学校では、詩暢と彼女の担任との面談が行われていた。付属の大学の人文学部を志望する詩暢に対し担任は、いつまでもかるたクイーンではないだろうと、就職に向けて考えるべきだと言いつつも、家がしっかりしているからと、それ以上は話しをせずに面談は終わってしまう。詩暢はかるたを知らないクラスメイトの言葉を背に、一人で帰路につき、今度も防衛できるかと悶々と考えていた。途中の呉服の藤岡でスノー丸グッツが売り出されているのを見て、多少は息抜きにはなったが、やはり稼ぎもしないくせにキャラクターグッツばかり買うなと言う、母親の言葉が思い出されてしまい、クイーンでなくなったら、何にもならないという結果に行きつくのだった。

周防との練習試合の後、千早は調子を崩していた。部活でも西田にスランプかと思われるほどだったが、部活後も白波会に顔を出して、原田の練習相手になっているらしい千早。それに対し、周防から相手のミスを誘うかるたというスタイルを聞いた太一は、その背徳的な手法に魅了されている自分を、千早にも知られたくないと考えているのか、千早の問いかけに対してはっきりと答えられないでいた。

かるた一色の雰囲気を大胆にも壊したのは、クリスマスパーティーをやりたがっていた西田だった。

12月24日の18時48分の筑波家。かるた部員が集まりクリスマスパーティーのため、料理をテーブルにセッティングする作業が進められていた。そんな中、筑波の母親が美人だと浮かれていた様子の菫が、筑波の弟たちに声を掛け、三人とも部屋にいる事が分かると、声のトーンを落として携帯で駒野に連絡を取り始める。今度はリビングにいる駒野から携帯で指令が掛かり、MCS、瑞沢かるた部サンタクロースの作戦が開始される。二階の子供部屋にあるベランダに向かって、家の外で西田、太一の順で肩車が伸び、それをよじ登るためにサンタ役が一歩前へ近づくのだった。

部屋の中では、直接サンタからプレゼントをもらうのだと意気込んでいた筑波の弟たちが、節分の鬼は父親だったと現実に気付き始めていた。そこへサンタ役がベランダに下り立った靴音が鳴り、弟たちはそちらにくぎ付けになるが、サンタ役が挨拶をしようと振り返る動作の途中で、思いっきり顔を窓ガラスにぶつけてしまい、筑波の弟たちはその歪んだ顔に驚いて、階下の兄たちの元まで逃げ出してしまう。

リビングでは、サンタ役をベランダまで届けた太一と西田が、上がった息を押し殺しつつも、他のメンバーと共にサンタが来たのはすごい事だと、弟たちに言って聞かせ、長男である筑波は、プレゼントを貰わずに逃げてきてしまった弟たちに、部屋に戻ってみるようにと促すのだった。

部屋にはもちろんサンタ役はおらず、窓が開けられてプレゼントが4つ、行儀よく置かれていた。プレゼントが音楽プレイヤーと読手の五十嵐氏のかるたCD、そして新しいかるたの札だと知った弟たちは喜び、さらに作戦の依頼者である筑波家の長男にも、弟想いの秋博くんへ サンタよりと張り紙のされたサポーターが届けられていた。

弟たちがプレゼントの活用方法を考え、筑波もまさか自分にもプレゼントがあるなんてと、泣きながらサポーターを眺めていた頃、おそらく筑波家の両親の寝室では、駒野がサンタ役の千早の様子を見に来ていた。姉から教わったデブに見える特殊メイクや、青色のカラーコンタクト、まつげまでホワイトマスカラをして、見た目は完璧に仕上げ、さらに駒野の作った台本も全て頭に入れてきていたにもかかわらず、登場から一瞬でターゲットたちが驚いて逃げてしまったため、台無しだったと大泣きする千早。

用意したものを全て出し切ることはできなかったが、筑波の弟たちは喜んでくれたと、成功を喜ぼうと千早を慰める駒野。話を終え、そろそろカラーコンタクトの千早に違和感を感じたため、駒野はメイクをやめるように言うと、カツラと付け髭、さらに顔の輪郭をふっくらさせるために口に含んだ綿を取り、眉毛も剥ぎ取り、さらには鼻の穴に仕込んだ綿も取っていく千早の変化に、駒野は最初こそ笑っていたが、少し感動も覚えている様子なのだった。

千早と二人でリビングに戻る途中、駒野は去年のクリスマスはクラス会に参加していたが、友人も少なかった自分にとっては寂しく感じられ、今年の様にかるた部のみんなで集まれることが嬉しいのだと語る。

ここに居たら良いのにと思える人は、家族なのだという駒野の言葉に、千早は楽しそうにしているかるた部員達の中に、新の姿を見る。新へ想いを寄せながら、千早は名人・クイーン戦を見に行くかを聞き、それに全員が手を上げて参加の意思を表明したのを見て、嬉しそうに笑うのだった。

詩暢の家では、クリスマスにまでかるたの練習をする詩暢に対して、気を使った母親の詩穂は、家政婦に食後のケーキも出さない様にと、詩暢に聞こえない様に小声で話し合っていた。音を聞き分ける耳の良い詩暢にとって、母親たちの会話は筒抜けであり、年頃らしくクリスマスに出かけたりしない自分を、勝手に寂しいと思うなと少々怒りを覚える。そのまま札に向き直ると、母親とは違い、札の方が家族の様に感じると思う詩暢。詩暢がそんなことを思っているところに、祖母が廊下から自分を眺めていることに気付き、少し驚かされるのだ合った。祖母へ身体ごと向き直った詩暢は、祖母から何をしているのかと尋ねられ、畳が傷むかるたの練習をしていた事を咎められると考えた詩暢は、すぐに片付けると動こうとするが、祖母は畳の事は、張り替え時だからと気にする必要はないと遮り、その後は無言で、自分の問いかけに答えるように詩暢に促す。

競技かるたで必要な、最も遠い札に対しての最短距離を、身体に覚えさせる練習だと答えた詩暢に、祖母が何かを言うよりも早く、隣の部屋から話を聞いていた母・詩穂から、応接間の畳が傷むから自分の部屋でやりなさいと、詩暢に対して今更な注意が飛び込んできた。そんな母の言葉に詩暢が嫌だと突っぱねていると、祖母はおもむろにマジックを取り出し、詩暢から札までの最短距離を線で弾いて示す。その行為に詩暢は驚きの表情の中に嬉しさをにじませ、詩穂と家政婦は青ざめる。しかし当の本人はどうという事では無いと言う風に、詩暢にクイーン戦出来る着物は決まっていることを伝え、ついでに貰った干し柿があるが、食べるかと尋ねる。祖母の行動に少し喜んでいた詩暢は、素直に食べると応じるが、今度は自分の髪型が変だと言ってのける祖母に、年頃の女の子らしく不満げな顔をする詩暢なのだった。その後は、祖母、娘、孫で干し柿を囲んで食べ、詩穂はしぶいと不服そうに、詩暢は髪型が変だと言われたのを気にして、お団子に手を当てていたのだった。

1月10日、滋賀県近江神宮。始発で出てもギリギリだと階段を走って上る千早たち瑞沢高校かるた部のメンバー。何とか試合前に行われる選手の参拝の列を見ることができ、周防の髪と髭が伸びている様や、詩暢の変な髪型、さらには競技かるたを取るには高価かつ袖が長すぎる、手書きの友禅の大振袖と言う出で立ちに驚く面々。

試合会場が解放され、席取りが始まると、席を取ってきたとはしゃぐ駒野と西田に対し、奏は若輩者な自分たちは一階でテレビ観戦だと、場をわきまえるよう注意する。しかしそれを聞いて固まった千早は、席取りのために椅子の座面に正座し、もう一つの椅子に向けて手を伸ばしていた。千早から気まずい雰囲気を感じた奏は、千早は白波会の応援団として残っても良いのではと、関係者は会場にいるべきだと主張する。

テレビの生中継が無くなり、去年とは会場のレイアウトが少し変わった点から、かるた会が軽んじられていると悔しがる筑波に、駒野はネット中継に切り替えられる等、次代が変わったのだと諭していた。

千早は会場を見渡して、新の姿が見えないことに疑問を感じ、ギクシャクしながらも携帯で新に連絡を取ってみることにした。会場に新が現れていない理由は、新の声を聴いた瞬間に風邪だと判明し、千早が叫ぶことでそれはかるた部の皆にも知れ渡る事になった。ネットで見ていると言う新に、次の言葉が出ず、沈黙の間に告白の事を思い出して、双方共に顔を赤くして通話を切ると、その様子を離れて見ていた太一は、何も言わずに自分の席へと向かっていく。

選手が入場し、原田の堂々とした態度に会場が注目する。新もネット中継を見ていたが、画面上を流れていくコメントの文字が邪魔だと感じるのだった。しかし、着物や髪型にまで反応したり、周防が映ると弱そうなどとコメントされるのを見て、新はネットの自由さに触れ、思わず笑わせられるのだった。

名人とクイーン、そして挑戦者が出そろい、長い一日が始まる。

 

ここから感想

うん、周防のクイーンになれない発言は、単なる千早いじりと言う結果になって、周防が駄目な奴という事が確定した。それに対して、千早に年頃なのだからと注意を促し、家まで送った原田先生は、さすが歳を食っているだけのことはある。いつも周りを巻き込み、自分の意志を貫いている子供っぽい原田先生でも、さすがに小学生の頃から見ている千早が、ちょっかいを出されれば、大人の対応が出来るんだね。かといって、周防が歳を取っても原田先生のようにはなれないだろうな…。

そして一番印象深いのは、詩暢の祖母。名前が無いのが意外だけど、確か議員をやっていて、クイーン戦の着物は用意してくれる、冷たい人という認識でいたが、今回のマジックで線を引く行動には、思わず詩暢も、祖母と通じるものを感じた模様。サバサバしている人物だと分れば、今まで出てきた数少ないカットの印象も変わるんだろうな。見直す余裕もないけれど、今回のエピソードで若宮家の微妙な距離感は思い出した気がする。あとは、クイーン戦を経て、詩暢が一人の限界に気付くのか、または別のベクトルで彼女に成長が促されるのかが気になるところかな。

 

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