ヨコシマなしましまアニメ感想

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ちはやふる3 第17話「わがころもではつゆにぬれつつ」

 そう言えば、突然とアニメ作品の終着点が気になったんだけど、そもそもどこまでを描くつもりなんだろう?この名人・クイーン戦の後は進級があるだろうし、そうすると切れ目ってどこになるだろう。

 

作品の内容

陣決めを行うため、係員から茶封筒に入れて札を渡される名人・クイーン戦参加者。名人の方には天智天皇の「秋の田の」で始まる絵札と、三條右大臣の「名にしおはば」で始まる絵札が、クイーン側には清少納言の「夜をこめて」と紫式部の「廻り遭ひて」の絵札が使われていた。挑戦者の原田は三條右大臣の絵札を取り、上の句と下の句の最初の一字を合わせて名人という札の意味を知った千早は幸先が良いと盛り上がる。名人の周防は天智天皇を、クイーン挑戦者の猪熊は清少納言を、そしてクイーンの詩暢は紫式部を取っていた。

これをネット中継で見ていた新も、画面上に流れる、陣決めのやり方が分かりやすいと言うコメント群を見て、これはこれで良いのかもしれないと感じ始めていた。

詩暢の髪型が浮いていると感じる菫だったが、そのことを言葉にした瞬間、キャラクタのスノー姫の髪型なのだと力説する千早。もちろん、しのぶが持ってきているポーチもこのスノー姫であり、新作だった。

陣につき、振袖を重いと感じた詩暢だが、自分のかるたの話に対して、畳にマジックで距離を示して見せた祖母を思い浮かべ、選んでくれたのだからと思い直していた。そんな詩暢に、視線を送りつつ落ち着いた笑顔を向けていた猪熊は、現役クイーンよりもその場になじみ、貫録を感じさせていた。

現役よりも挑戦者の方が貫禄があると言う現象は、名人戦の方でも起こっていた。しかしそこには周防の姿が無く、記録係は彼が何処に行ったのだと、不思議に思っていた。

暗記時間が始まっている中、トイレに立った千早は、帰る途中で電話をかけている周防の姿を発見する。誰かに中継の見方を教えている様子だった周防が、電話を切って千早に気が付くが、彼が声を掛けるよりも早く、千早はその場から走り去る。

暗記時間に電話を掛ける周防の態度が、全力で挑んでいる原田に対する侮辱だと感じた千早は、原田が軽んじられた悔しさと、周防にクイーンにはなれないと言われた悔しさ、そして勝っても負けても周防が引退すると言うことに、良かったと思った自分へのいら立ちが募り、立ち止まって目元を手の甲で押さえていた。そんな風に感情を殺そうと努力していた千早の頭を、袴を着こんだ坪口がポンと叩いて通り過ぎて行き、驚いて顔を上げた千早に、続いて後から来た桜沢が声を掛けて通り過ぎていく。須藤に怒鳴られ、最後の一人には無言で頭を下げられた千早は、彼らが今年の札ボーイと札ガールだと気づき、目を輝かせたのだった。

ネット中継では突然画面に映された坪口達に、疑問のコメントが流れ始めたため、新は布団に入ったまま説明を書き入れる。

観客にも札がどうなっているのか、わかりやすく大盤で見れるよう決まり字の書いた札を貼ります。試合中も増減、移動してくれます。同じかるた会の後輩や友人に頼むことが多いです。という新の書き込みに、ネット上の視聴者からも理解したようなコメントが返され、新は嬉しそうにするのだった。

原田の札ボーイは坪口が、周防の分は須藤が、そして猪熊の札ガールとして桜沢が担当し、知人ばかりの札ボーイ・札ガール千早が沸き立つ中、詩暢の札ガールが知らない人だったため、一瞬テンションが下がる。

詩暢の札ガールを務めるのは、京都明星会の結川桃四段だった。彼女は明星会会長の伊勢の紹介でここに立っているため、担当している詩暢よりも、憧れである猪熊の札を担当したかったと思い、さらに桜沢近くにいる事で、彼女たちの試合を思い出して、かるたプレイヤーオタクとして、この状況に興奮していた。

千早も、自分が挑戦者になったらと想像し、誰に札ボーイ・札ガールを頼もうかと考える。部活のみんなを思い浮かべ、太一は名人戦に出ているだろうと考えた時、自分は詩暢と戦い、新と太一が名人戦を繰り広げる会場を想像して、これが自分の夢だと感情を高ぶらせていた。

第一試合の選任読手である小峰和光八段が除歌を読み始める。小柄だが立体的な声に会場が包まれ、読手を目指す奏は満足そうに解説を述べる。

札を取り始めた選手たちの動きを見て、速すぎると沸き立つネット中継のコメント。千早はその試合が全て最高のものであってほしいと願うが、原田に連取されてもなお、首の骨を鳴らしている周防の、人となりを知っている札ボーイの須藤と、観戦していた太一は、周防に勝つ気が無いと気づいていた。

テレビ観戦の会場では、魚住アナが解説の渡会知恵永世クイーンを紹介していた。自分の記録について訂正する渡会に、魚住アナは間違っていないと彼女の天然ぶりを警戒していた。

魚住の天然ぶりはネット中継でも話題に上がり、新も何とも言えない表情でこのコメントを追っていた。

クイーン戦で、詩暢が札を取るシーンが映し出されると、腕の振りに合わせて長い袖が札を薙ぎ払っていた。呉服店の娘であり、着物の価値が分かる奏は、何故クイーン戦に振袖なのだと何度目かになるツッコミを入れ、当の詩暢自身も、大量の札を並べ直さなければいけないと、長い袖に不満を顔に出していた。

一方猪熊もブランクを感じさせない感じの良さを発揮し、二字決まりを一字目の発音を聞いて札を払って見せる。猪熊の強みと詩暢の強みが異なるからこそ、最後の一枚まで勝負はもつれるだろうと渡会は解説し、猪熊の漢字の良さを体験した詩暢も、強い相手に高揚した時に出す、不気味なクイーンスマイルになるのだった。

菫が自分の実力ではここまでたどり着けないと感じる中、千早が真剣な表情で試合を見ていることに気付き、顔が見えない太一も含めて、この二人にとってはたどり着けないと言う次元ではないのだろうと考えるのだった。

クイーン戦の動きをスローで見せる中継に、ネットではありがたいと言ったコメントが流れ、新は一試合目はクイーン戦が中心なのかとぼやき始める。すると、画面には新が気にしていた名人戦の様子ではなく、札を取りに来るついでに、クイーン戦の札の数を見ていた周防が映り込んだ。

周防は何を見ていたのかと、疑問を持った人々がざわめくが、太一や坪口、原田は、周防がクイーン戦と札数を合わせようとしていることが分かっており、原田は腹立たし気に札を払っていく。この、原田の勢いを見た翠北会の北野は、普段は憎まれ口をたたいていたが、このままでは膝が持たないと原田の事を心配し始める。しかし原田は、妻がくれた低反発高機能座布団を持ち込み、これまでかけてきた迷惑もあるため、勝つまでやると言う意気込みで挑んでいた。一方周防は、クイーン戦の様子を振り返って窺い、札数を合わせるのは難しいと考えていたのだった。

視点はクイーン戦に戻り、解説の渡会は、普段のクイーン戦であれば、挑戦者が会場の雰囲気になじめず、現役が有利になりやすい点を話に出すが、今回は猪熊もクイーン経験者の為、ここまで一進一退の試合運びになったのだと、猪熊の実力を評価する。しかし守りがるたから転じて、敵陣を責めて札を取り始めた詩暢。彼女の一字決まりの速さには、猪熊も手が出せないと認識させられるが、猪熊の旧姓千原にちなんだ「ちは」の札は見事に取って見せたのだった。

とうとうクイーン戦は、お互いが札を一つ持つ運命戦となり、読まれたのは詩暢の陣の札で、これが読まれると確信していた詩暢は、これを難なく押さえ手で取ったため、第一試合のクイーン戦は詩暢が勝利した。

名人戦も運命戦になり、こちらは原田の陣の札が読まれ、原田が勝利を収める。運命戦が強い原田を褒める周防に対し、記録員も坪口も悪質かつバカだと心の内で苛立ち、観戦者の中にも負けてざまあみろという声が上がっていた。しかし周防を知っている須藤と太一は、現名人が勝ち星をコントロールして、最大試合数の5戦目まで持ち込むつもりだと気づいてしまうのだった。

係員が12時45分から二試合目がスタートすることを知らせる中、昼食に向かったり、スマホを見る観客たち。

原田の控室には、若い教え子や関係者と思われる中高年までが集まっていた。太一から、原田が疲労回復のために、いつも通り眠っていることを聞いた千早は、別のところに行くと、控室には入らなかった。

周防の控室は、お茶菓子がテーブルに並べられ、主に女の子たちが喜んでそれらをつまんでいた。しかし周防の姿はなく、歩いていた太一が見たのは、廊下の脇に立ち、携帯でネット中継を見るための手順を誰かに教えている周防の姿であった。

猪熊の控室では、猪熊本人が迅の授乳中であり、上の子の暉からおにぎりを差し出され、夫の智にタフだと驚かれながらも、暉のおにぎりにかぶりつく猪熊。そこへ、富士崎高校の理音が控室を訪れる。かるたへの情熱を覚えた理音は、明日行われる高松宮杯に出場すると明らかにし、猪熊にも応援の気持ちを伝えようと、少々前のめりに離そうとする。そんな彼女の言葉を止めて、猪熊がこれが自分にとって最後のクイーン戦だからと、よく見ておくように告げるのだった。

詩暢の控室には、詩暢と母の詩穂しかいないがらんとした空気があった。それでも強い猪熊と戦えたことの興奮がまだ冷めていない詩暢は、見たものに怖いと言わせるクイーンスマイルを浮かべ、橋を持ったまま子の札にはこうやって取りに行くと素振りを始めてしまう。長い袖が湯飲みに当たり、詩穂は湯飲みを片付けつつ、詩暢を叱る。詩暢も素直に謝りつつ、お茶がはねてしまった部分を布で叩いてみるが、シミにならないだろうかと心配する。

熱心に着物のシミを気にする娘に、詩穂は彼女の母であり、詩暢の祖母にとって、高価な着物をクイーン戦で着させるのは、京都府議会議員の祖母の票田を守るための行為に過ぎないのだからと、応援のために着物をくれていると思っていた詩暢に半ば呆れたように明かす。

詩暢がそのことにショックを受けていると、ノックをして千早が菓子折りをもって控室に入ってきた。千早と面識のない詩穂は怪訝な顔をするが、詩暢は顔をほぐして千早に座布団を用意する。原田が自分の師匠なのだと言う千早に、容赦なくツッコむ詩暢。二人のやり取りを見て、詩穂は戸惑いながらも千早が詩暢の友達であるだろうと考えていた。

詩暢は話しつつも、千早の差し入れのスノー丸どら焼きを空けていたが、千早がクイーン戦予選に参加できなかった理由が修学旅行だと知り、動きを止める。詩暢の様子に気付かず、襷の話をしていた千早に、詩穂が振袖で襷はみっともないと話に割って入っていたところで、詩暢は持っていたスノー丸どら焼きを握りつぶし、さらに持ち直してくしゃくしゃに握ってから、者を言わずに控室を出て行ってしまう。

詩暢の機嫌が急降下したことに気付いた千早と詩穂は、無言かつ腹立たしそうに出ていく詩暢を見送ってしまい、詩穂は娘の態度が悪かったと、千早に取り繕い、千早は詩暢が使っていた座布団と潰されたどら焼きを見つめるのだった。

 

ここから感想

うん、詩暢自身が進む先を見つけていないのと、かるたを通じて友人になれた千早が、自分より学校行事を取ったと感じた辺りが、彼女の孤立感を良く出しているよね。伊達に先週中にいい加減な担任と、かるたを知らないクラスメイトを出しているわけではないね。

で、詩暢と違って意志を持って周りをひっかきまわしている周防。電話の相手はおそらくパソコンの出来ない家族なんだろうけど、中継を見るレクチャーを暗記時間に離席してまでやったり、初戦は原田に譲ってみたりと、かるた会の関係者一同から嫌われるこの態度には、どういった理由があるんだろうね。太一が魅力的に感じたかるたの取り方にも関係しそうだから、この辺にもスポットを当てて欲しいが、試合中にそれをやると、太一や千早には知られない、周防が回想する形になるから、作品の流れとしてだめか…。

ってことは、いつまでこの名人・クイーン戦が続くのかが問題だな…。

 

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