ヨコシマなしましまアニメ感想

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フルーツバスケット 第25話「もうすぐ夏がやってきます」感想

 そうだったね。夾が師匠を見送る話と、夏に向けた期待感を感じるエピソードはあったよね…。夾の話は終わったものだと思っていたから、再度暗い話をされたので疲れた。

 

今週の内容

夾にとって、母親の葬儀の時に自分と暮らさないかと提案してきた藉真が、どのような思いでそう声を掛けたのか、思い図ることができなかった。一族の命令だったのか同情だったのかは分からずとも、家に軟禁されているような生活を送っていた夾に、外の世界を見せ、救い上げてくれたことは分かる夾は、次第に藉真の事を師匠と呼び慕うようになる。

藉真が本当の父親だったらと思う事があり、しかしそれは藉真を困らせる言葉だろうと告げることをしなかった夾。しかし中学に入り、騒動を起こした夾を指導していた教師が、育ての親である藉真の育て方を悪く言ったため、自分の所為で藉真が悪く言われることを恐れた夾は、藉真は自分の父親でも何でもないと叫び、その言葉は呼び出された藉真の耳にも届いてしまうのだった。

藉真の重荷になりたくはないという激しい思いから、ふと目が覚めた夾は、自室の布団の中で、封印の数珠までつけた状態で寝ていたことを理解する。急いで階下に駆け下り、藉真はどうしたのかと居間にいた紫呉を問いただし、まだ例の一つも言えていないのだと、追いかけるのだった。

慌ただしく出ていく夾の足音を聞きつつ、紫呉は新聞から視線を外して、縁側にいた由紀を見やるが、彼は夾に視線を送る事すらしないのだった。

透は藉真を、住宅地に続く端まで送っていた。夾に声を掛けるべきではと藉真に尋ねる透に、藉真は夾に対する償いの想いを吐露し始める。

藉真の祖父も猫憑きだったため、猫憑きと言うだけで差別や中傷の対象とされてきた祖父という存在を知りながらも、自分も一族と同じく呪われるからと、菓子を差し出す手を拒んだ経験を語る。その経験が藉真の後悔となり、第三者の目で、夾の代になった猫憑きを取り巻く環境を見て、その残酷さを痛感し、夾を引き取ることで後悔の念を打ち消そうとしたのかもしれないという藉真。しかし、次第に本当の父親になったように愛情を感じ、育て、今回の事も自分のエゴを押し付けてしまったのだと話した藉真は、夾に何と声を掛ければ良いのか分からないのだと透に打ち明ける。しかし透は、藉真が夾を救ったのは透だと話しても、藉真の夾に対する思いを聞き、藉真が夾の本当のお父さんの様に見えるとほほ笑むのだった。

ちょうど夾が追いつき、たどり着いたそのままの勢いで藉真に拳や蹴りを入れ始めたため、驚く透。しかし藉真はそれらを難なく避け続け、反撃に出たその手刀が夾に見事に当たる。夾は攻撃を繰り出しながらも、逃げていく様に変える藉真に対し、自分の想いをぶつけ、いつかは自立して、藉真を父親だと言えるような人間になると宣言するのだった。その言葉と拳を受け止めた藉真は、ようやくすれ違いが解け、親子らしい関係を築ける予感を覚え、夾を吹っ飛ばしつつも、まだまだ手のかかる息子だと声を掛けるのだった。

透が見てみたいと話していた、夾と藉真の手合わせが見せられたことに満足する夾。師匠は強いと言う点に、何度もうなずく透に、自分が弱いと言われている気がすると、夾は突っ込むと、透は困ったような声を上げる。そのやり取りを見ていて、藉真はやはり、夾を救ったのは透なのだと、嬉しそうに目を細めるのだった。

日常に戻り、ネクタイを素早く結ぶ由希。居間では、朝食を取りつつ、藉真の道場に通うことになったと紫呉に報告する夾。由希も食事を始め、卵焼きを取ろうとした瞬間に自分の箸と夾の箸がぶつかり、そのまま箸を洗い場に放り投げる由希。その態度に一度は大声を出す夾だったが、大人になると宣言した手前、怒りを抑えて見せ、その姿に透は藉真との約束を果たそうとしていると涙するのだった。しかしその我慢も、もう一度由希がバカ猫と一押ししただけで崩れ去り、やはりいつも通り怒鳴り散らしてその場からいなくなってしまう夾。しかし由希も機嫌が悪かったらしく、墓に入ってもお前の事は嫌い続けると、夾の言葉に言い返していたのだった。

学校でプリントを運んでいた透は、夾の本当の姿を見た日に、泊りに来ていた楽羅が、朝起きた時にはいなくなっていた事や、由希が沈んでいるように見えたことを気に病んでいた。そこへ潑春が声を掛け、由希の事を聞いてきたため、思わず昨日の事も含め話そうとする透だったが、夾の本当の姿を由希は見たのではないかと思い至り、最初から知っていた様子の楽羅も、何も言わずに帰ってしまった事も含め、潑春に話してよいものか考えてしまう。しかし言葉を発さないで悩んでいた透に対し、潑春は何かを察した様で、透の頭をポンポンと叩いて去っていってしまうのだった。

校舎の渡り廊下で由希に話しかける潑春。由希は夾の本当の姿の事や、今朝こっそりと出ていこうとする楽羅の強さに充てられた事との、折り合いを付けようとしていると、潑春へは伝えなかった。何かあったとだけ伝える由希に対し、潑春は透が心配していたから、安心させてやれとだけ用件を伝える。そんな周囲に気を遣う潑春を由希は心配するが、潑春は性分だと笑い、楽しくなる方が良いと自分の望みを口にし、その点は由希も同意するのだった。

階段を上っていた透を呼び止めた由希は、今まで自分が苦手にしていたネクタイ結びが、できるようになってきたことや、他人と話す回数が増えたと思える事を伝え、少しずつでも変わっていき、過去では目をそらした事柄にも目を向けていける自分になれるようにと、そうしているうちに杞紗とかわした約束で、自分自身が強くなっていくはずなのだが、まだ透に心配をかけたと謝る由希。

しかし、これからは透にまだ言えていない事も言えるようになっていこうと思っていることを伝え、これから迎える夏には、透との思い出がたくさん作れるからと、そう考えれば好きになれそうだと話す由希。しかしその間に、自分と出かけることが嫌でも攫って行くから覚悟してと、冗談を交えたために、透は由希の格好良さに恥ずかしくなってしまい、膝カックンの要領で階段の手すりに頭をぶつけてしまうのだった。思わず心配する由希だが、慌てふためく透に笑い、教室に戻ろうと促す。

階段を降りる由希と透。その二人を見た真鍋翔は、由希は噂通りの美人さんだと評価するが、傍にいた倉伎真知は「あの人って…」と言いかけ、それ以上は語ろうとせず、翔はもっと他人に興味を持とうとアドバイスを送るのだった。

学校からの帰り道、潑春が居る事を疑問に思った夾が理由を聞くと、夕飯に呼ばれたと答える潑春。さらに楽羅も合流し、全員で紫呉の家に戻ることに。紫呉に呼ばれたという楽羅に、潑春は元気そうだとつぶやき、由希は戦っている中でも明るく振舞っている楽羅に、自分も負けまいとネクタイをきつく締め直すのだった。

しかし家に帰って由希を出迎えたのは、愛情表現の暑苦しい実兄・綾女出会った。紫呉が楽羅達を呼んだ理由が分かり、貰ったカニを由希と食べようと思った話を続ける綾女に、思わず遠い目をしてしまう由希なのだった。

はとりや紅葉、杞紗も到着し、夏休みが楽しみだという紅葉に、透も何かが始まる予感がすると期待に胸を膨らませて応えるのだった。

草摩総合病院では、燈路が草摩依鈴を見舞っていた。夕食と思われるトレイが投げ出されているのを確認しても、特に片付けるために手を出そうとはしない燈路に、依鈴は「もうグレ兄(紫呉の事)しかいない」と話し、燈路はまだ諦めないのかと忠告めいたことを質問する。しかし依鈴は、強い意志を込めた瞳を燈路に向け、諦められるものかと答えるのだった。

それぞれが、言葉にできない予感めいたものを感じながら、夏は始まるのだった。

 

ここから感想

最終回ですね…まだ続くのだけど。

それにしても、確かに暗い作品ではあることは承知していたものの…リメイクしたらここまで全体的に暗くなるとは思わなかったよ。原作の激しいツッコミやギャグなんかも払しょくするくらいの暗さなんだけど、このままのワット数で作り続けるつもりなのかね?この先の、例えばあの原作でも薄暗い草摩家の闇の部分とか、進路で悩む若者とか、今日子が命を落とした事件の遺族問題とかを、同じトーンでやるつもりなのかね?強弱をつけるとか、そういうことはしないで行くつもりなのだろうか?それはそれで、山場も何も無い暗い作品になりそうで、作り手さんの表現の技量が、もうちょっと欲しいところだ。

で、リメイクしてくれるのなら今回の夾のセリフも変えて欲しかったのだけど、このリメイク版の作品が好きな人はどう思っているのだろう?自立して立派な人間になるというあの目標は、高校卒業と同時に幽閉されることが分かっている人間のセリフではないよね。そこは匂わせて欲しかった。そして藉真もその課題をしょって帰っていって欲しかったな。

登場人物は、まだ課題山積という状態ではあるものの、進みだしたと言う内容の1st season。これ以降は、ほとんどアニメ化されていない部分に突入するため、2001年版のアニメと比較されることなく、評価されていくことになるだろう。できれば、原作を完成作品とせずに、動きのあるアニメでは、より良いものにしていこうと言う情熱を注いでいて欲しいのだけど、忙しい作り手さん方には無理なお願いなんだろうな。

 

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