ヨコシマなしましまアニメ感想

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コップクラフト 第11話「TRANSITIONAL CRISES」感想

捜査とは言え、トニーとゴドノフが頑張って投資家を演じているのに対し、娼婦と間違われるほどのジェミーとキャメロンの、あの自然な溶け込みようは一体なんなんだろうね。

 

今週の内容

サンテレサ市長選挙に伴い、候補者がセマーニ人によって射殺される事件が二度も起きたため、セマーニ人排斥の運動が激化する。しかしそれに呼応してセマーニ人側も、「宇宙人は星へ帰れ」と言った過激な発言と、有力候補が殺害されたために票の獲得数が上昇する見込みのトゥルテ候補に対するデモを行い、暴徒と化した参加者によって、破壊活動が行われていた。

トゥルテ候補への聞き込みを行うため、ティラナを伴い移動するケイ。トゥルテは、元々ボクシングまたはテコンドーの選手であったが、起業家として成功し、10年ほど前から政治家をしている男であり、タカ派で暴言も多いが、打ち出す言葉が分かりやすいため一部の市民からは人気を得ているのだと、ティラナに説明するケイ。

面会でき、部屋に通されたケイとティラナだが、セマーニ人排斥派のトゥルテは、ティラナが刑事扱いという事を知るや否や、法律が理解できるのかと嫌みを言ってきた。ティラナもこれに応じてしまったため、サンテレサ市があるカリエナ島が地球とセマーニ世界のどちらの物かと言う話になり、トゥルテは、元々この島にいたセマーニ人に対し、地球側が行った資金援助や帰るための制度も敷いているのに、彼らがセマーニ世界へ帰らないのはなぜかと問い、地球の科学文明を享受したいからだと自答する。ならば、地球側のルールに従うべきであり、嫌なら帰れという持論を披露したトゥルテに、ティラナは否定しきることができず言葉に詰まってしまう。

二人の言い合いが収束し始めたのをみて、ケイは腰を低くしながらも、最後にと質問をする。

「地球人と政治家、どちらかを選ぶとしたらどうするか」というケイの質問に対し、トゥルテはユニークだと評しながらも、真面目な表情で「政治家」を選び、セマーニ世界の側に生まれても政治家になっただろうと締めくくったのだった。

車に戻り、「悪趣味だ」と怒りながらシートに腰かけるティラナだが、聞き込み対象に喧嘩を売ったことをケイが注意し、トゥルテが黒幕となる死人やラーテナの匂いが存在しなかった聞いたところ、ティラナは存在しなかったと大人しく答える。

ケイがトゥルテに最後に質問した内容について、どう意味があったのかと聞くティラナに、ケイは頭の後ろで手を組みながら、ゼラーダと組んでいたロス警部の言葉から考えたと答える。「警官である前に地球人だ」と、二つの世界が交わる事に危機感を感じ、たとえ裏切り行為であったとしても、地球のためだと行動したロス警部の信念に対し、同じ命題に政治家だと逆の答えを出したトゥルテ。この質問で、黒幕ではないとは断言できないが、参考にはなるだろうと、ケイは車を発進させるのだった。

夜の繁華街で、娼婦からモゼリーメを撃った男の情報を聞き取るジェミーとキャメロン。男を客として取っていたルーという娼婦までたどり着いたため、二人はその子と直接会うことにしたのだった。対してヴァイファート鋼の出所を探していたトニーとゴドノフは、ベンチャー企業の多さに癖癖していた。トニーの大学時代の元カレに、ハイテク産業のベンチャーキャピタルで働いているツテがあると知ったゴドノフは、今のパートナーに対して浮気になると言うトニーに、自分の携帯を差し出して仕事を進めるように促すのだった。

暗殺者の男を客に取ったという、娼婦のルーに会いに向かうジェミーとキャメロン。彼女の部屋があるマンションのエレベーターに乗り込み、携帯で暴動のニュースを確認したジェミーは、キャメロンに暴動の様子を映した動画を見せる。市内のあちこちで同じような暴動があり、セマーニ人の死者も出たという状況も知らせるキャメロン。

ルーの部屋がある階に着き、怒鳴る男とルーの声が聞こえたため、キャメロンはすぐにドアを叩いてうるさい、警察を呼ぶぞと脅しをかけ、男にドアを開けさせる。中から出てきた男は、二人の格好からルーの同業者だと判断し、帰れとドアを閉めようとする。そんな男に対しキャメロンは、暴言を吐いて喧嘩を売り、相手が殴り掛かってきたところを膝蹴りとかかと落としで気絶させたのだった。

部屋の中で暴行を受けていたルーは、キャメロンに感謝を述べつつ抱き付き、マナーの悪い客からの解放を喜んだのだった。

ルーに暗殺者の男の写真を見せ、左ひじの下に、帽子を被ったブルドックのタトゥーをしていた事を聞き出したジェミーとキャメロン。ジェミーはウィキペディア依存症だと自負する知識の中から、ブルドックは海兵隊マスコットであることと、タトゥーはTシャツから見えない部分にするように決まりが厳しくなった点から、男は古株の海兵隊員という事まで導き出した。しかしその知識の引き出しは、「M4カービン、アメリカ陸軍の武器、ミサイル、慣性航法装置、レーザージャイロ、サニャック効果、アインシュタイン、重力、天文学、太陽系、オールト雲、小惑星、恐竜、竜盤類、骨盤、胎児、帝王切開、ブルドック、海兵隊」という知識欲のままにページを渡り歩いた結果であり、その経緯を聞いたキャメロンとルーは戸惑いを隠せないのだった。

雨の降る中、幌を閉めた車で移動するケイとティラナ。暴動で荒れ果て、壁にはセマーニ人排斥を訴えるポスターやトゥルテ候補の選挙ポスターが並ぶ。ティラナは不意に、自分の周りには差別をする人間はいないと言い、恵まれているとケイに話す。ケイはそんなティラナに、セマーニ人嫌いを公言していたケニーも、ティラナに会い、彼女を気に入ったことで、他のセマーニ人の客への当たりが柔らかくなった気がすると話し、こういった繋がりが、例えば市長選挙にも影響するかもしれないと、彼女を元気付けるのだった。

朝、朝食を食べながらテレビのニュースを見ていたティラナは、コール。モゼリーメの妻・マーラが市長選に立候補したと言うニュースに驚き、ゾーイ殺害を指示した人物の疑いが晴れていない状態では、セマーニ人への差別撤廃を主軸に訴える彼女であっても、ティラナは指示できないと悩むのだった。そんなティラナに、ケイは民主政治は「どっちがマシか」を決めるものだとアドバイスするのだった。

出勤途中の連絡で、ヴァイファート鋼の出所調査と暗殺者の身元調査について進展があったと聞いたケイは、朗報だとティラナに説明する。さらにかかってきた電話は、ジャーナリストのケビン・ランドルからで、やけにメールの件を急かし、「監視されている」「自宅のPCのセキュリティソフトの警告が何度も出る」と言うため、少なくとも「何か」はあると感じたケイは、運転していた車を止めて、ランドルが送ったと言うメールを確認する。

メールを送った日時を見ても、ランドルの言うメールが無かったため、ケイは直接話を聞こうとするが、ランドルは盗聴される電話では言えないネタだと返したので、直接会うことにし、「最初の取材であった場所」で合おうと、場所を言わずとも分かる場所を指定して移動を始めるケイ。

一方ヴァイファート鋼を作成していると思われる会社が特定され、「モイライマテリアル」という社名に変だと感想を述べるジマー。後の事は担当しているトニー達に任せると告げたところで、今度は暗殺者の身元を特定してきたジェミーとキャメロンが主任室に乗り込んできたため、ジマーは彼女たちの報告を機うことになる。

海兵隊員だった暗殺者のイーサン・ドールの資料を見て、夜中だったために、照会対応をしてくれなかったと苦労話をするキャメロンに、ジマーは思わず元海兵隊員の自分のコネがあったと話してしまい、もっと早く言って欲しかったと言われてしまう。ひとまず、トニーのヴァイファート鋼の制作会社の調査と、急なタレコミ対応で送れるマトバ達が戻るまで、仮眠するように提案するジマーなのだった。

ヴァイファート鋼を制作している疑いのある、モイライマテリアルを投資家として見学するトニーとゴドノフ。ただでさえ巨漢でえあるゴドノフに、笑顔でいるようにと指示し、それでもぎこちないゴドノフの笑顔に、トニーは「子どもに大好きと呼ばれる想像をする」というアドバイスをし、さっそく社内へ入っていくのだった。

ランドルと落ち合うことができたケイとティラナ。ティラナを見張りに立たせ、ランドルの話を聞いたケイは、マーラ・モゼリーメのスキャンダル写真を撮った事と、マーラの夫のコールモゼリーメをデートクラブで逮捕した件から、マーラと映っている男は捜査官かと聞かされたケイは、おとり捜査では無い事を言いかけ、写真に写る男の左ひじの下にブルドックのタトゥーがあることに気付き、その様子にランドルは男が事件の関係者だと察してしまい、そこへケイが写真の男が、コールを殺した犯人だと話したため、証拠になるような写真を撮った自分は殺されるとパニックを起こし始める。

ケイが、ランドルを落ち着かせるために考え過ぎだと言い、写真をSNSに上げれば良いと言う提案を行っている最中に、FBIが現れ、ケイ達を含めた三人に銃を向ける。ティラナはそのFBIの中に死人がいると匂いで気づくが、誰かという特定に至ることができなかった。

ティラナが剣を構えようとするため、抵抗しないという意思表示のために、剣を捨てるように指示するケイ。ティラナはひどいとファルバーニ語でつぶやくが、剣を地面に置き両手を挙げる。

結局三人全員に手錠が掛けられてしまい、ケイは目の前にいるランドルのスマホを確認する男に名前を聞き、ロナルド・チャンという事を確認する。

連行されるケイ達だが、途中でティラナがチャン以外は全員死人だと看破する。しかし手錠をはめられた状態では成す術もなく、バックドアから車へ放り込まれてしまう。

その車に乗っていたゼラーダは、久々に見るティラナに挨拶をし、ケイとティラナは黒幕の登場に危機感を覚えるのだった。

 

ここから感想

ティラナが、トゥルテの聞き取りから引き上げる時のあの怒りようと、ケイと話し始めた時のあの「怒ってないよ」という声の感じ、気持ちの流れが途切れていると思う。いつも集中が途切れることなく見れる本作なだけに、今回のはがっかりだったな。

最終回に向けて、捜査の方もだいぶ真相に迫ってきているところへ、ゼラーダの登場。今回の事件で彼の逮捕又は死亡まで行かないのだろうと想像はつくので、ひとまずゼラーダ本人から、世界を憂いている理由を聞ければ良いよね。ついでに、地球世界に住んでいるセマーニ人の援助を政策に挙げているマーラとは、本当に考えが異なった状態で手を組んでいるのかも種明かししてくれれば、ワンクールでやるべきところはやった感じになりそう。

エルバジもカリエナ島の住民については語っていたけど、この島の成り立ちをここまで話をした話は今回が初めてという点など、おそらくカットしている原作の設定なんかはあるだろう。それでも、きれいに終わってしまえば二期が必要な作品ではなさそうと言うのが、現時点での感想。やはり作りが好みでも、内容としては対ゼラーダに収束してしまうのが少々物足りなさの原因なのかな…。

 

 

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